2:8の法則を作曲に適用すると
最近読んだ本で、とても興味深い本がありました。
『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』 中島聡
色々濃い話が詰まっているのですが、僕の理解したこの本の主旨はズバリ、
頭2割の時間で仕事8割やっちゃおうぜ!です。
経済学ではパレートの法則とか読んだりする2:8の法則を仕事術に適用したパターンですね。
具体的な数字で言うと、ある仕事の仕事量が100で、与えられた時間は10日だとすると、最初の2日で80やっちゃおうぜ!ということです。その為に極力余計なことはしないでいいように携帯を切るとか環境を整える。そして残りの8日間は流しながら調整に当てる。雑務などもここで片付けながら自分のやりたいことをやればいいと。
そして、このルールを多重に適用してもよいとも書いてありました。つまり残りの8日間の2日(8日の約2割)で16(20の8割)をやってしまう、そうすると残りの6日間でやる仕事はたった4。
この3段階で仕事ペースを計算してみると、最初の2日間で80をこなすので、40/日。次の2日間は、16をこなすので、8/日。そして残りの6日間で4をこなすので、0.67/日。
すごいですよね。
すごいけど、こんなこと、僕は人生でやったことない。やったことないどころか、逆の8:2の状態になったりして、いつもギリギリチョップ。
結果的にそうなっちゃってたものもあるけれど、受験勉強とか試験って人との競争なので、人のアクセルスピードを見ながら結構手抜きが出来てしまうんですよね。周りはこれくらいのスピードだから、自分ならこれくらいのタイミングで猛ダッシュをかければ終盤で追いついて勝てると。自慢するつもりは全くないんですけど、不思議と勉強ではそれが出来てしまった。
ところが最近ようやく気づいたんですが、作曲って人との競争じゃないんです。これはもちろん自分で書いて自分で歌う場合だけじゃなく、コンペの場合も多分同じ。他の作家さんの作品よりも自分の作品を選んでもらうという点では競争なのかも知れないけど、どうも違う。ペーペーの新人作曲家がこんなこと言うのは非常に烏滸がましいかも知れませんが、多分人に勝てるかどうかよりも、自分の全力の作品を出せるかどうかの方が大事。と言うのも、その勝敗は結局自分で決められないから、自分でこれくらいのモノなら勝てるはずと思っていてもそうはならない。今回は今の自分なりのベストのモノが出せた、だから多分勝てる、勝てたらいいな、くらいの気持ちでいるのがいいんじゃないかと思っています。
そこで話を本筋に戻して、この2:8の法則を作曲に適用するとどうなるか。
これまでの僕の場合、仮に5日間という時間が与えられたとすると最初の3日間でサビを中心に5〜10個の思いついたメロディーを録音しておく。4日目でリストを整理して全体像を練り、5日目でメロディーを決めて歌詞も書いて一気に作り上げる。みたいなパターンが多かったのですが、これはもうやめようと思うわけです。
ではどうするかと言うと、最初の1日目で思いついたメロディーの中から一つ選んで、ラフでもいいからとにかく全体像が見えるものを一度作ってしまう。仮歌もざっくり録っちゃう。
そして2日目に冷静になって考え直す。昨日あんなにいいと思ってたのに今日聴いたら全然あかんやん!みたいなことは僕はあまり無いのですが、頭と耳をリセットしつつ他のメロディーを試して修正して肉づけしていく。
3日目で微調整してほぼ完成!そして体力的にも余裕がある、となれば別のメロディーでもう1曲の作業に取りかかれる。ここで1日目と同じ作業が出来れば、5日間で2曲が完成です。
なんと素晴らしい。
たまたま気分が乗って、これの7日バージョンをたまたまやったことや、与えられた時間がもともと少なくて結果的にこのペースになったことはありますが、意図的にこのペースで仕上げたことはまだほとんどない気がします。
あるいはこれを読んで、「いやいや、そんなん普通でしょ、俺ならもっと速いよ」と仰る先輩方々がいらしたら、すみません。今の自分ではこれくらいが限界かなと思いますが、頑張ります。
皆さんの仕事にも適用できるかはわかりませんが、参考になれば幸いです。よかったら本も手に取って読んでみてください。
今回はここまで!